ソーシャルファイナンス
SDGsソーシャル・ファイナンス・フレームワーク
● | ソーシャルファイナンスとは |
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ソーシャルファイナンスとは、「ポジティブな社会的成果を生み出す新規又は既存のプロジェクトに必要な資金を調達するためのファイナンス(債券発行・借入れ)」のことをいいます。具体的には、①調達資金の使途が社会的貢献度の高いプロジェクトに限定され、②調達資金が確実に追跡管理され、③資金調達後のレポーティングを通じ透明性が確保された資金調達手法です。
ESG金融は、近年債券のみならず、様々な資金調達手段へ広がりを見せており、既にグリーンプロジェクトに対してはローン市場協会から「グリーンローン原則」が公表されるなど、様々な金融商品による投資が明示的に奨励されています。
2018年7月27日付で環境省から公表された「ESG金融懇談会提言~ESG金融大国を目指して~」では、ESGやSDGsへの貢献を資金使途としたESG融資の促進が以下のとおり盛り込まれました。
「(以下抜粋)パリ協定とSDGsが目指す脱炭素社会、持続可能な社会に向けた戦略的なシフトこそ、我が国の競争力と「新たな成長」の源泉であるとの認識の下、直接金融において加速しつつあるESG投資をさらに社会的インパクトの大きいものへと育むとともに、間接金融においても地域金融機関と地方自治体等との協働と、グローバルな潮流を踏まえた金融機関の対応によりESG融資を実現する必要があることを確認した。(中略)我が国の間接金融中心の金融構造を踏まえれば、融資においてもESGへの配慮を促していくことが、持続可能で包摂的なESG金融の拡大の鍵となる。」
● | SDGsソーシャル・ファイナンス・フレームワークの策定 |
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本資産運用会社は、本投資法人がソーシャルファイナンスとして借入金や債券発行等により資金調達を行う場合、資金使途を社会貢献度の高い投資等に限定すること、並びに調達資金の充当状況の確認・管理体制及び社会貢献効果等のレポーティング体制を定めたSDGsソーシャル・ファイナンス・フレームワークを策定しました。
本フレームワークでは、ソーシャルファイナンスによる調達資金の使途を、ヘルスケア施設への新規投資とリファイナンスに限定しています。また、プロジェクトの選定基準とプロセス、資金管理方法及び資金の充当状況や社会的成果に係るレポーティングについて定めています。
JCRソーシャルファイナンス評価
● | JCRソーシャルファイナンス評価とは |
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JCRソーシャルファイナンス評価とは、調達資金の資金使途が、国際資本市場協会(ICMA)が公表する原則に基づくソーシャルファイナンスの要素やSDGsとの整合を、株式会社日本格付研究所(以下「JCR」といいます。)が確認し評価したものです。確認及び評価にあたっては、ICMAが公表する「ソーシャルボンド原則」及び「SDGsとソーシャルプロジェクト分類のマッピング」を評価における参照指標としており、資金調達のフレームワークに対する評価である「ソーシャルファイナンス・フレームワーク評価」、借入に対する評価である「ソーシャルローン評価」、債券に対する評価である「ソーシャルボンド評価」があります。
● | Jリート初となるソーシャルファイナンス評価の取得 |
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本投資法人では、ソーシャルファイナンスフレームワーク及び2019年2月に資金調達したソーシャルローン(総額117.5億円)について、Jリートとして初めてJCRによるソーシャルファイナンス評価を取得しました。本投資法人の事業が社会に与えるインパクトや調達資金の管理方法、情報開示体制等が評価され、それぞれ最上位の評価をいただきました。詳細はJCRのウェブサイト掲載の評価レポートをご参照ください。
評価項目 | 結果 |
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ソーシャルファイナンス・フレームワーク評価 | Social1 (F) |
ソーシャルローン評価 | Social1 |
JCRウェブサイト
https://www.jcr.co.jp/
● | 本投資法人初のソーシャルボンド発行による資金調達 |
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本投資法人では、2020年1月のリファイナンスにおいて、ESG投資に積極的な投資家層の拡大による資金調達手段の拡充、SDGsの掲げる持続可能な社会の実現への貢献を通じた中長期的な投資主価値の向上を目指し、本投資法人として初となるソーシャルボンドの発行による資金調達を行いました。
取組み | SDGs目標 | 期待される社会貢献効果 |
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ヘルスケア施設への 継続的な投資と安定的な資産運用 |
・高齢者人口に対する高齢者向け住宅の供給不足の解消 ・病院の耐震化推進 ・持続可能な社会に向けた病院機能転換の促進 |
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・介護施設の供給促進を通じて介護離職を余儀なくされていた女性の社会進出促進 |
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・介護施設へのICTシステム投資などによる介護スタッフの業務負担の軽減 |
借入一覧(2022年1月期末時点)
ソーシャル ファイ ナンス |
借入先 | 残高 (百万円) |
利率(%) | 固定/ 変動 |
借入日 | 返済 期限 |
担保/ 保証 |
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- | 株式会社三井住友銀行 | 1,000 | 0.89375 (注) |
固定 | 2017年 3月3日 |
2024年 1月31日 |
無担保/無保証 |
- | 株式会社三井住友銀行 三井住友信託銀行株式会社 株式会社りそな銀行 株式会社七十七銀行 |
4,000 | 0.57650 (注) |
固定 | 2018年 3月20日 |
2023年 1月31日 |
無担保/無保証 |
〇 | 三井住友信託銀行株式会社 株式会社三井住友銀行 株式会社りそな銀行 株式会社西日本シティ銀行 信金中央金庫 株式会社福岡銀行 株式会社群馬銀行 |
4,000 | 0.41988 (注) |
固定 | 2019年 2月1日 |
2023年 1月31日 |
無担保/無保証 |
〇 | 株式会社三井住友銀行 三井住友信託銀行株式会社 株式会社りそな銀行 株式会社西日本シティ銀行 信金中央金庫 株式会社福岡銀行 株式会社群馬銀行 株式会社七十七銀行 |
5,750 | 0.53900 (注) |
固定 | 2019年 2月1日 |
2024年 1月31日 |
無担保/無保証 |
〇 | 日本生命保険相互会社 株式会社七十七銀行 第一生命保険株式会社 株式会社広島銀行 |
1,250 | 0.42571 | 固定 | 2020年 1月31日 |
2023年 1月31日 |
無担保/無保証 |
〇 | 三井住友信託銀行株式会社 株式会社りそな銀行 株式会社三井住友銀行 信金中央金庫 株式会社西日本シティ銀行 株式会社福岡銀行 株式会社三十三銀行 株式会社東日本銀行 |
4,450 | 0.54000 (注) |
固定 | 2020年 1月31日 |
2025年 1月31日 |
無担保/無保証 |
〇 | 日本生命保険相互会社 | 500 | 0.35000 | 固定 | 2021年 1月29日 |
2024年 1月31日 |
無担保/無保証 |
〇 | 株式会社三井住友銀行 三井住友信託銀行株式会社 第一生命保険株式会社 株式会社広島銀行 株式会社横浜銀行 |
3,200 | 0.48925 (注) |
固定 | 2021年 1月29日 |
2026年 1月31日 |
無担保/無保証 |
〇 | 株式会社三井住友銀行 日本生命保険相互会社 |
1,100 | 0.38625 | 固定 | 2022年 1月31日 |
2025年 1月31日 |
無担保/無保証 |
〇 | 株式会社三井住友銀行 三井住友信託銀行株式会社 株式会社りそな銀行 株式会社西日本シティ銀行 信金中央金庫 第一生命保険株式会社 株式会社広島銀行 株式会社福岡銀行 株式会社七十七銀行 株式会社三十三銀行 株式会社東日本銀行 |
5,900 | 0.60975 (注) |
固定 | 2022年 1月31日 |
2027年 1月31日 |
無担保/無保証 |
(注) | 変動⾦利による借⼊れですが、⾦利上昇リスクをヘッジする⽬的で⾦利スワップ取引を⾏っています。よって⾦利スワップ(⾦利の固定化)後の⾦利を記載しています。 |
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投資法人債一覧(2022年1月期末時点)
ソーシャル ファイ ナンス |
名称 | 残高 (百万円) |
利率(%) | 払込日 | 償還期限 | 格付 | 担保/保証 |
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〇 | ヘルスケア&メディカル投資法人第1回無担保投資法人債(特定投資法人債間限定同順位特約付)(別称:HCMソーシャルボンド) | 2,000 | 0.780 | 2020年 1月30日 |
2030年 1月30日 |
A(JCR) | 無担保/無保証 |